年の瀬の帰省で家人不在の民家が空き巣被害に遭い、火災が発生した。警察は1人の男性を現住建造物等放火や窃盗などの疑いで逮捕したが、検察は放火容疑については不起訴処分に。一方、被害者が起こした損害賠償請求訴訟で裁判所は11月、男性による放火と認定し、220万円の支払いを命じた。刑事事件と民事裁判で判断が分かれた形だ。
火災が起きたのは2021年の大みそか。判決などによると、午前2時10分ごろ、石川県白山市の木造2階建て住宅の1階リビング付近から出火し、34平方メートルが焼損した。家からハンドバッグやアクセサリーなどがなくなっており、石川県警は22年1月、野々市市の男性(46)を現住建造物等放火と窃盗、住居侵入の疑いで逮捕した。
男性は同年6月、金沢地裁で窃盗と住居侵入罪で懲役2年執行猶予5年の判決を受けた。だが、放火容疑については3月に金沢地検が不起訴処分としており、刑事裁判で問われることもなかった。男性側の代理人弁護士によると、嫌疑不十分とされたという。
一方で被害に遭った夫妻はそ…